旬の料理

2025.05.16

涼やかなる夏の恵み ― 冬瓜

一年でもっとも昼が長くなる節目、『夏至(6月21日)』が近づいてまいりました。
陽の力が極まり、暑さが日ごとに深まるこの頃―涼やかに心と体を癒してくれる初夏の味覚が、「冬瓜(とうがん)」です。

その名に“冬”を冠しながらも、実は6月からが旬。冬まで日持ちすることからそう呼ばれるようになったとも伝えられております。
白く透き通る果肉は淡泊ながらも、出汁を含ませればたちまち奥ゆかしい旨みに。
煮含めて、椀物に、あるいは冷やし鉢としても美味。季節の涼味として、料亭でも欠かせぬひと品です。

特に夏至の頃に味わう冬瓜は、強まる陽に寄り添うように、食膳にやさしさを添えてくれます。
初夏の膳に、しずかな涼を―
皆様のご来店をお待ちしております。